前回は、非定型業務とはどんなものかを議論し、定型業務というのは、"確定したデータを処理する業務"のことであって、非定型業務というのは、"データを確定する業務"であると規定しました。今回は、定型業務と非定型業務の重要性についての比較をしてみましょう。

前回の定義でいくと、データを登録し処理する業務とそのデータを確定させる業務とどちらが大事なのかということである。もうちょっと具体的にみていきましょう。ビジネス活動というのは何度も書いていますが、お客さんに商材を知ってもらい、買ってもらうように働きかけて、注文をもらい、それに合致した製品なりサービスを作ったり、買ってきたり、組み立てたりしたものを届けて、その代金をもらうことです。

例えば、この買ってもらうように働きかけるというのはカタログを見てもらったり、見積もりを提示したり交渉して、最終的にオーダーをもらうことになります。この場合では、確定したデータを処理するというのは、作られた見積書を発行することや受注登録をすることに相当しそうですね。

一方、見積で提示する価格や納期を決めたり、受注に向けて見積もりを出し、値段交渉をしたり、特典をつけたりといったことをして受注に結びつけます。ここでは、データを確定するまでは行ったり来たりあるいはお客さんによってやることがまちまちといったようにいつも決まりきったやりかたではない非定型な業務になるわけです。

さて、どちらが重要かを考える場合、自分たちのビジネスに対する大げさに言えば戦略、簡単に言えば方針とかルールのようなものがどこに反映されているのかを見ていけばよさそうですね。ひとことで言えばビジネス要求がどこの局面で表現されるのかということになります。明らかに、データ確定するまでの動作にありそうですね。データを登録するところではビジネス要求が現れそうにありません。

例えば、見積金額をどうするかなんて戦略的、戦術的でもありますよね。今はまだ新製品が出たばかりだから、利益はあまり乗せないようにしようとか、この会社は優良顧客だし今後も期待できるので値引き幅を大きくしようなんていうのは、見積を作るまでのところでの判断に入り込んできます。

ということで、ビジネス要求は非定型業務に埋め込まれるということになります。だから、より重要なのは非定型業務なのです。つまり、非定型業務こそが競争力の源泉であり、差別化の源泉なのです。だからといって、定型業務が重要でないと言っているわけではなく、それはそれとして会社の実態、業績をきちんと報告、開示するという意味では重要なものです。ただ、これまでの業務システムは、非定型業務のIT化を避けていて、定型業務の方ばかりに目が行っていたように思うのです。
  

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This page contains a single entry by Masanori Wada published on January 18, 2012 10:32 AM.

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