これまでは、非定型業務とは何なのかということで、データを確定するまでの業務であって、そこにビジネス要求が降りてくるので非常に重要であるということを議論しました。今回からそうした非定型業務をどうやって実装したらいいのかという話になります。

非定型業務というのは意思決定すなわちデータを確定する動きですが、それをどうやってITに乗せるかという問題です。ではその非定型業務は今はどうなっているのでしょうか。従来の業務システムでできていたのでしょうか。

できていないというのが正直なところではないかと思います。前回、非定型業務のIT化を避けていて、定型業務の方ばかりに目が行っていたと書いたが、非定型であるが故にIT化は難しいからである。あいまいさ、多様性、個別性、例外などを論理的に処理しようとすると壁にぶつかります。

ところが、実際のビジネスの現場ではいつも予想通り、想定したと同じ流れ(Happy Pass)で進むことはめったにありません。あっち行ったりこっちへ行ったりの非定型的な業務ばかりで、それを様々な手段をつかいながら日々こなしています。そして従来の考え方では、人間がやることの代替するものとしてのITを想定しています。

そうした考えだと、あらゆる人間の行動に対応したものにするのは不可能であると言わざるを得ません。いつも違った動作になるわけだから、それらをいちいち記述していてはたまったものではありません。「If then else」の嵐になってしまいます。

こうしたことから非定型業務のIT化が避けられてきたということが言えます。いやそんなことはなくてグループウエアとかCRM、ERPを使って、あるいは手づくりでもやっていますよと手をあげる人がいると思いますが、非定型業務を実行するために必要な機能の一部までで全体を包含できているものはないと思います。

要するに、従来のシステム化の考え方の延長では無理なのです。コンセプトそのものを変えていく必要があります。あいまいさ、多様性、個別性、例外などをどうするかではなく、それがあるという前提に立たなくてはいけません。

その前提に立った時に浮かんでくる考え方は、違った動作がやりやすいような"場"を提供するという考え方にすることです。点を線で結ぶようなことではなくて、空間を与えてやることです。その場では自由に動いてよいとするわけです。
この考え方は特別で新しいものではなくて、ITがなかった昔から会社の組織としての動作そのものなのです。特に日本の職場では、メンバーがお互いに電話や直接の会話による調整を行いものごとを決めたり、決めたことを黒板に書いて周知させていたり、部下を走らせて他部署へ連絡したりということをやっていました。

アメリカなどではこうした調整とかすり合わせといったことはあまりやられていないので、業務の定型化ができパッケージが普及した。ただ、これからは調整のような文脈的なというかオントロジカルな行為が重要視されるだろうから、非定型業務をどうやってうまく実装して運用させるかは大きな課題になってきます。
 

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This page contains a single entry by Masanori Wada published on January 25, 2012 10:24 AM.

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