前回は、WhatはHowに優先するということが非常に大事であるという指摘をした。悪いWhatをいくら良いHowで作っても意味がないのである。それなのに、巷ではHowの話ばかりしていて肝心のWhatの議論がほとんどない。30年間ずっと変わらないWhatの疲労がきているのにもかかわらず。

さて、Whatとは何か。まずは少し抽象的ですが、概念を言おうと思います。「Whatとは、ビジネスの貢献する仕組みと仕掛け」としてみました。仕組みというのは別の言葉で言うと構造ですね。おなじく仕掛けは機能とでも言ったらいいかもしれません。要するに、単なる箱ではなく、仕掛けをもった、機能を具備した構造体を指しています。

ここで具体的な中味を議論する前に、コンセプトレベルでもこれまでと違った見方をする必要があります。小手先だけ変えるのでは本質的な変革はできません。これはおおげさに言えばパラダイムの転換ということです。では、これまでの「ものの見方や捉え方」はどうであってこれからどう変えるべきなのでしょうか。

システム開発あるいは業務システムの世界での従来の考え方の特徴を3つあげると、「Function/Data Oriented」「Development Excellence」「Independent Work」だと考えています。最初のFunction/Data Orientedというのは、システムを作る時に画面から、あるいはデータから考えるということです。もちろん、データ、機能、プロセスのどれもが必要なのですが、どれを中心に、あるいは先行してアプローチするかということで、これまでは画面やデータを中心にというやりかたが多かったのです。

Development Excellenceというのは、開発が目的化しているという意味になります。システム屋さんに開発してもらったはいいが、プロジェクトが終わるとさっさと引き上げてしまい、どんなふうに使われているかは無関心ということが多いと思います。要するに作ってナンボの世界なのである。

後のIndependent Workというのは、作られたシステムは、個人が画面に向かってデータを打つ、帳票を出すためのものになっていることを言っている。コンピュータは決まった時間に決まったフォーマットでデータを入れろと命令してくる。それに個人が一生懸命答えているという姿が浮かんできますよね。

どうもこれではいけないと感じていると思うのですが、ではどう「ものの見方や捉え方」を変えるのでしょうか。上に挙げた3つに対しての新しいコンセプトは、「Process Oriented」「Operation Excellence」「Collaborative Work」です。画面やデータに対してプロセスを中心に考えましょうということ、作ってナンボではなく使ってナンボなんですよということ、個人の作業ではなくチームとして情報共有の場で仕事しようよという意味になります。

新しいコンセプトと言いながらふと考えたのは、別に新しいことではなく昔から業務や仕事の場では当たり前のことなのではないかということである。だから、システムの世界が現実から乖離していたという言い方もできる。なぜもっと素直に現場で行われていることを写像しなかったのかと思うのであるが、これは別のところで書く。

とは言え、業務システムにとってはコンセプト変えることであり、着手点もHowではなくてまずはあるべきWhatの姿を考えて見ようというのが大切な態度だと思うのである。
  

No TrackBacks

TrackBack URL: http://blog.wadit.jp/mt/mt-tb.cgi/34

Leave a comment

About this Entry

This page contains a single entry by Masanori Wada published on March 9, 2012 10:19 AM.

第7回BPMフォーラム2012 was the previous entry in this blog.

非定型業務のIT化 - Whatはオペレーションから発想する is the next entry in this blog.

Find recent content on the main index or look in the archives to find all content.

Pages

Powered by Movable Type 4.34-en