ついでにもう少しプロセス管理に必要な機能について考えてみます。なかなか「kintone」が出てきませんがしばらくご容赦ください。前回、プロセス管理ツールとしてのBPMSが保有する機能としてモデラー、プロセスエンジン、モニタリング、ワークフロー、シミュレーション、ルールエンジンといったものを挙げました。そして、プロセスエンジンについて必ずしも必須ではないと言った。自動化するためのエンジンはそれほど重要ではないということである。

他の機能はどうだろうか。モデラーとシミュレーションというのはセットで考えてもいいので両方を見てみるが、これらの役目は、プロセスをモデリングして、それに対してシミュレーションを行ない、最適なプロセスに改善していくというものである。そして、そこで作られたプロセスモデルを実際に動く環境にデプロイしさらに詳細設定をするわけです。

まず、プロセスモデラーというのは今言ったように簡単にいうとお絵かきツールです。ただ、シミュレーションができ、開発環境に移行できることがメリットとなります。このメリットは大きいのでしょうか。もし、これがなかったらどうするかを考えるとその必要性がわかってきます。モデラーは手書きで書いてみることになり、実際に使うプロセスは直接開発環境で作ることになるのと、シミュレーションはやらないというか、ちょっとしたケーススタディ程度になります。

シミュレーションをすると何となく最適化ができるように思いますが本当でしょうか。例えば、分岐があってその分岐でどちらに振り分けられるかという条件が決めらますが、そのパラメータはほとんど人間が恣意的に決めるわけです。それが正しく現実を反映しているとはならないから、最適化はしょせん無理な話なのはないだろうか。ということで、モデラーもシミュレーション機能も必須ではないと思うのである。

さて、残りのワークフロー、モニタリング、ルールエンジンであるが、ワークフローは申請―承認という機能は必須ですが、最低承認者の権限を付与してその人が承認するという機能で十分ではないかと思う。ルールエンジンは、別にBRM(Business Rule Management) というジャンルがあるくらいだから必須のように思いたくなるが、それは一部の複雑系のプロセスには必要かもしれないが、それほど複雑ではないところにエンジン付きでデシジョンテーブルを回すほどのことは少ないと思うのです。ルール集を参照する程度でおおかたの役目をはたせるのはないでしょうか。

モニタリングは、必須である。ここでよく考えなくてはいけないのは、何を監視するのかという前に、何のために監視するのかということです。つまり、どんなことをしたいがために何をどう監視するのかということが重要になってきます。ダッシュボードなんて言い方があるようにモニタリングというとBI(Business Intelligence)みたいなことを思い浮かべるひとが多いかもしれませんが、それは一部の話で、モニタリングには2通りのものがあると考えています。

プロセス管理の結果をモニタリングするのとその途中をモニタリングするこの二つです。つまり、最初に設定したKPIとかKGIが達成できたかどうかを測ることと、それらを達成するために制御しなくてはいけないパフォーマンスを測ることです。意外と忘れがちなのが後者のモニタリングです。むしろ、こちらの方が大事というかプロセス管理の狙いはここにあります。前者が死体解剖で後者が生体ドッグというわけで、死んでからその死因の探るのももちろん必要ですが、病気になる前に兆候を見つけて処置することの方が大事だと思いませんか。

結局、プロセス管理に必須の機能は何かというと、データベース、ビュアー、承認、パフォーマンスモニタリングといったぐらいで、これではちょっと味気ないので、もう少しメタレベルでみてみると、前のシリーズでも何度も出てきた業務オペレーションのため要件に集約されるのである。

①ビジネス活動(プロセス)の進捗がわかること
②意思決定(データ確定・判断)に必要な参照情報を得られること
③コミュニケーションをしながら意思決定が行えること
④プロセス全体と単位意思決定の責任者が明確になっていること
⑤パフォーマンスの状況がわかり対応アクションがとれること
⑥オペレーションの結果がアーカイブされて、次に生かされること

次回から、この要件を満たすために「kintone」どうやって使っていくかの話に入ります。
  

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