■ どこから始めたらよいのか

ビジネスサービスの企画はビジネスモデル起点のハイブリッドアプローチで行うのが基本なのだが、現実にはそうはいかないケースが多くあると思う。つまり、もう問題の所在が明らかで具体的にやるべきものが見えていたり、早く効率的ないオペレーションをしたいといった場合にはそこから始めてもかまわないということである。

立案された戦略から、それを実現するための業務プロセスを特定し、そこにKPIを設定し、といったやり方は教科書的には正しいが、それは全社的なプロジェクトとなって、大がかりな進め方が始まるとそこで疲れてしまって挫折するなんてことにもなりかねない。だから、目の前の改善要求に対して企画するというのもありだと思っている。特に、部門内やグループでの起案では仕方ないでしょう。

しかしながら、注意しなくてはいけないのは、そういった始め方だと部分最適であって、全体最適にはならないのではないかという批判がついてまわる。ですから、お勧めしたいのは、ある程度進んだ段階、そうですね、プロセスの概要ができてきたぐらいで、そこからビジネスモデルに遡ることをしたほうがよいということです。

いま自分たちが作ろうとしているビジネスサービスは自分たちが営んでいる事業のビジネスモデルのどこに位置するものかという確認をすることが大事だと思う。先にサービスのイメージを作っておいて、それが事業戦略やビジネスモデルの目的に合致しているかどうかチェックするのである。いくら、問題があるからとか緊急性があるからとか言っても、事業の目的とかけ離れていたら作る必要はないかもしれないからである。

よく、企画では目的の明確化ということが言われます。しかしながら、注意しなくてはいけないのは、時として目的の目的化、手段の目的化がおきてしまうことです。どういうことかというと、お客さんの問い合わせに応えるのが煩雑だから自動応答サービスを作るという企画を立てたとします。すると、問い合わせ対応業務を分析してその業務を自動化するということが目的になります。そこは明確ですとなる。

ところが、事業の性格から、ただ早く答えればいいというのではなく遅くてもいいから丁寧に対応することで顧客満足度を高めているのがその事業の強みでそこで他社との競争に勝っているとしたら目的は明確化しているかもしれないが十分ではない、あるいは逆行してしまうことだってある。ですから、重要なことは目的の明確化の前に、"合目的性"をちゃんとチェックすることが重要なのである。

さて、身近なところから泥臭く始めても構わないが、いったん目を高みに転じて、それこそ"上から目線"で作ろうとしているサービスを眺めてみたらどうかという提言である。始めるための敷居は低いほうがよいという面は否めないので、気楽に初めて立ち止まり、またさっさとやるという循環サイクルをお勧めします。日本BPM協会の推進フレームワークにある3つの輪は循環サイクルとなっていて、どこから始めてもいいが必ず全体を見ることなのです。
 


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