■    サービスは何から成り立っているのか

さて、次は設計フェーズに入ってきます。ビジネスサービスの何を設計することになるのでしょうか。それを考えるにはサービスは何から成り立っているのかを見るのがよいでしょう。まずはサービス学会のサービスの定義は「提供者が受給者の望む状態変化を引き起こす行為」となっています。ところで、サービスという概念で見るとこの定義のようにITシステムのことではないことがわかると思います。

つい、企業的なビジネスサービスはITシステムによるサービスだと思いがちですが、人手によるおもてなしもサービスになるわけです。ただ、会社は、組織としての活動が基本ですから、おもてなし風な個人に依拠したものはあまり対象にはしませんが、ITだけではなく人とITとの合わせ技だということを理解してください。

ですから、ここでは「提供者が受給者の望む状態変化を引き起こす行為」がうまくいくような仕組みはどんなものであるのかという捉え方をします。ビジネスでは往々にして受給者は顧客ということになります。ですから、お客さんがこんなものが欲しい、こんなことをして欲しいと望んだとき、それに答えてやることです。ただ、この受給者は顧客だけに限ったことではなく、例えば社内の従業員に向けてサービスを提供するなんてこともあるので、社内外に受給者がいます。

さて、サービスを提供する仕組みはどんな要素から成り立っているのでしょうか。メタレベルで見ると「プロセス」「機能」「情報(データ)」から成り立っていると考えています。つまり、サービスはワンショットで終わることはほとんどなくて、いくつかのサービス要素を順番に繰り出すことが多いと思います。これがプロセスです。連続、非連続問わず徐々に望む状態に変化させるという流れです。

そのときの変化のさせ方とか提供の仕方などは受給者が望むようにしようとします。早くしてほしいのかとか、驚きを与えてくれとか、逆に安心感をもたせてくれといったように提供の仕方に工夫がいります。それが機能です。ITで機能というと検索ができるようにとか、計算速度を早くとか、画面のレスポンスが何秒とかいうシステム的な機能を考えがちですが、最初の段階ではもう少し抽象度を上げて見たほうがよいでしょう。

そして、ビジネスサービスでは結局は受給者に与えるものは「情報」という形になります。もちろん、商品という物理的なものを渡すというサービスがありますが、それでも、受給者はモノそのものというより、そのモノに付帯した情報を求めているのではないでしょうか。つまり、そこに載せる情報は何がよいのか、どんな情報を参考にしてモノを渡すのか、サービスを行った結果も情報として残るということもあるわけです。

ということで、ビジネスサービスを構成する要素は大きく「プロセス」「機能」「情報」になると考えています。ということで、ビジネスサービスを構成する要素はどんなものが必要なのか、その組み合わせ構造をどうしたらよいのかが設計になります。実際の設計ではこうした要素を更に分解していき具体的な要素機能や構造に落とし込んでいきます。
 

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