■    身近なところから始めてみたら

何度も繰り返してしつこいと思われるかもしれませんが、設計といってもITシステムを設計するわけではありません。どんなサービスをどんなふうに提供したら喜ばれるのかということ、すなわち"スタイル"のようなものを設計することが大事になってきます。ですから、企業でいえば社風とか事業方針といったものが反映されてくるわけです。

そう考えると、ITはひとまず置いておいておもてなしのスタイルを考えましょうというのが出発点のようです。これだと、何か身近にありそうですよね。会社の業務ではなくても、例えば何かのイベントを行うとか、ボランティアなんかもそうだし、簡単な例でいくと、職場の忘年会の幹事に指名された時を想定してみてください。

ある日、部長からお前今年の忘年会を企画してくれと依頼されたらあなたはどうしますか?参加するみんなが喜ぶような企画・計画をしますよね。そして、実行して皆さんが満足できたらうれしいと思うはずです。そのためにどうしたらよいのかが設計となるわけです。ここで気がつくと思いますが、そんなことにITシステムを設計するだろうか。もちろん、計画を進めてたり、実行するときにITを使いますが、それはあくまで道具として使うわけです。

言い方はおかしいのですが、忘年会開催プロセスも立派なプロセスです。では、実際にプロセス的に追っかけてみましょう。まずは、部長からだいたいこのあたりで、部全体でやろうぐらいな言い方で頼まれるはずです。さらに、今は業績も良くないのであまり派手にはやらない方がいいだろうといった制約を言われることもあるでしょう。

忘年会の開催を頼まれ、それに応えて実施するまでの手順がプロセスですから、さてどうしましょうかと考えたとき、おそらくいつまでに何を決めたらよいのかということが浮かぶと思います。つまり、決めるべきこと、それはいつまでなのか、決めるにはどんな情報を参照するのか、制約条件はあるのか、だれに相談をしたらよいのかといったことになるでしょう。

もう少し具体的に見ていくと、わかりやすいのは5W1Hで考えたらよいでしょう。まあ目的は忘年会だからWhyは除いてもいいので、まずはいつでしょうね。日時(When)を決めます。次に場所(Where)、そしてどんな形式や会費(What)にするのか、それが決まると参加者(Who(m))を募集します。さらに当日の進行(How)を決めて実施ということになると思います。

ただ、こうしたことが簡単に決められるとは限りません。日時にしても部の業務のスケジュールとか部長の出張の日とかをチェックするはずです。場所はそれこそ「ぐるなび」や「食べログ」で調べるとか、過去に評判がよかったところとかを探しますよね。また、出欠をとるのにメールじゃないアプリを使うでしょう。

ですから、プロセスを実行するうえで決めなくては行けないこと、それを決めるときに参考とする情報や制約、それがいつまでなのかという管理指標などを定義していくのがプロセス設計なのです。そこに全体の進捗が見えるようにするためとか、情報がネットからリンクされるとか、通知配信する仕組みとか、そういったところで必要に応じてITを使うことだと思います。

当たり前のことですが、この幹事さんが、スマホだけで忘年会を企画・計画・実施したからといって、プロセス設計、オペレーションをしていないとは言えないでしょう。自分の手帳に手書きで書いてそれをチェックしながらやるのもプロセスオペレーションです。つまり誰でもやっていることなのだが、それをもっと明示的にオープンにして行くことなのだが、そのためには前回提起したように標準的構造化をしたWhatが必要で、その構造にあった中味をデザインすることが大切なのです。
  

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