■    プロセス要素表さえあれば

さて、だいぶ遠回りをしてきましたが、実際にWebデータベースに実装していきましょう。この章の最初に言ったように設計フェーズで作成した「プロセス要素表」に沿って設定していきます。プロセス要素表には、当該業務プロセスをオペレーションするために必要な項目を列挙してあります。ですから、基本的にはその通りにオペレーションできればよいことになります。

おさらいの意味で何が書いてあるか確認しておくと、まずはプロセスを構成しているアクティビティ(単位意思決定)とそのフロー(アクティビティの順番)が書いてあります。そして、各アクティビティの中の設定項目が定義されてます。確定データ、付帯登録情報、業務ルール、参照情報、ロール、パフォーマンス管理指標などです。

これらが設定され、案件が発生したらそこにデータがエントリーされていくと業務が遂行されるわけです。仕事というのは、ある意味業務依頼書の空欄を埋めていくことに等しいと言えます。そうした業務プロセスが適正に動かすためにアクティビティの中の項目が設定されています。すなわち、業務の進捗がわかること、どんな情報を見て意思決定をしたか、誰が責任を持っているのか、プロセスをコントロールしているのかといったことオープンなプラットフォームに現れていることが重要になります。

前にも言ったようにこうした考え方にぴったり当てはまるソフトウエアはありませんから、現状では使いやすいWebデータベース、具体的にはサイボウズ社の「kintoe」を使います。その適用にあたっての工夫を下記に示します。

  ・プロセス全体を一つのアプリとする
  ・プロセス要素表をそのまま入力フォームに書き込む
  ・アクティビティ単位をフィールドグループとして区切って表示する
  ・各アクティビティのステータスを入力するフィールドを設置する
  ・進捗管理一覧表にステータスを表示する
  ・情報共有やコミュニケーションは、コメント欄や添付ファイルで行う
  ・参照情報の取得はルックアップ、ハイパーリンクなどで行う
  ・アラートは通知機能を活用する

実際のソフトウエアを知らない人にはわかりにくいので若干の説明を加えておきます。普通、データベースソフトというのは、1件1葉の画面、すなわち登録フィールドを埋めてエンターとするのが基本です。そこを、複数の登録画面を配置し、ぞの全体をひとつのアプリケーションとします。「kintone」は最新のバージョンアップでなんとそれをフィールドグループとして括れるようになったのです。これで、アクティビティごとの区分けが明示でき非常にわかりやすくなりました。

データベースソフトは、基本的にはデータエントリー画面と一覧表からなっていますので、その一覧表に各アクティビティのステータスを表示させると、プロセスの進捗がわかります。また、「kintone」にはデータエントリー画面の右横にコメント欄がついています。ここに関係者がコメントを書き込むことでコミュニケーションをしながら意思決定ができることになります。さらに、参加者へのメール通知機能がありますので、アクションを促したり、注意を喚起することもできます。こうして見ると、何もコードを書かなくてもソフトウエアのもつ機能(本来の目的と違っていても)を工夫して使えばかなりのことができてしまいます。
  

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