January 2014 Archives

さて、今回からはビジネスの構造体に入っていきます。前回までに創造のプロセスを議論してきました。ビジョンを描き、アイデアを創出し、コンセプトを作り、プロトタイプを行って、新しい製品やサービスを創造するプロセスです。こうした創造プロセスによって作られた商品をいかにして売るか、使ってもらえるかが非常に重要なこととなります。

日本のモノづくり現場で陥りやすいワナがいいものを作れば売れるという考え方であると指摘されるようになりました。それが過剰品質を産んだり、高コスト化を招いて中国をはじめとした国に製造拠点が移行してしまったのは周知の通りです。つまり、商品を作っただけで終わりでなくそれをいかに売るのかというビジネスモデルをきちんと構築しないといけないとうことです。

そうしたビジネスモデルはどういう構造をしているのか、どんな構成要素から成り立っているのかを検討するのがこの章の目的になります。そこで、提示するのが6つのビジネス構造体です、つぎのようになります。

(1) どこの誰に
(2) どういう関係で
(3) どんな商材を
(4) どのリソースを使って
(5) どのように提供して
(6) どうやって儲けるか

この6つの"ど"から成り立つモデルはビジネスを実行していく上で必須の要素になります。「どこの誰」というのは市場と顧客をどこに置くかということで、お客さんと「どういう関係」を築いて商品を販売するのか、そこに売るものは「どんな商材」なのか、そして多くの経営資源の中から「どのリソースを使って」ビジネスを動かすのか、商材をお客さんに「どのように提供して」いくのか、最終的には収益をあげなくてはいけないから「どうやって儲けるか」の仕組みを作るのです。

これが、わかりやすいビジネスモデルの定義です。ビジネスモデルというと、ついひところアメリカなどでビジネスモデル特許といった言われ方もされたように収益モデルという狭義の解釈がされがちですが、それだけではなく、製品やサービスの価値とか顧客やサプライヤーとの関係、サプラチェーンといったものを含んだ総合的なモデルとして捉えています。
  

さて、今回からはビジネスの構造体に入っていきます。前回までに創造のプロセスを議論してきました。ビジョンを描き、アイデアを創出し、コンセプトを作り、プロトタイプを行って、新しい製品やサービスを創造するプロセスです。こうした創造プロセスによって作られた商品をいかにして売るか、使ってもらえるかが非常に重要なこととなります。

日本のモノづくり現場で陥りやすいワナがいいものを作れば売れるという考え方であると指摘されるようになりました。それが過剰品質を産んだり、高コスト化を招いて中国をはじめとした国に製造拠点が移行してしまったのは周知の通りです。つまり、商品を作っただけで終わりでなくそれをいかに売るのかというビジネスモデルをきちんと構築しないといけないとうことです。

そうしたビジネスモデルはどういう構造をしているのか、どんな構成要素から成り立っているのかを検討するのがこの章の目的になります。そこで、提示するのが6つのビジネス構造体です、つぎのようになります。

(1) どこの誰に
(2) どういう関係で
(3) どんな商材を
(4) どのリソースを使って
(5) どのように提供して
(6) どうやって儲けるか

この6つの"ど"から成り立つモデルはビジネスを実行していく上で必須の要素になります。「どこの誰」というのは市場と顧客をどこに置くかということで、お客さんと「どういう関係」を築いて商品を販売するのか、そこに売るものは「どんな商材」なのか、そして多くの経営資源の中から「どのリソースを使って」ビジネスを動かすのか、商材をお客さんに「どのように提供して」いくのか、最終的には収益をあげなくてはいけないから「どうやって儲けるか」の仕組みを作るのです。

これが、わかりやすいビジネスモデルの定義です。ビジネスモデルというと、ついひところアメリカなどでビジネスモデル特許といった言われ方もされたように収益モデルという狭義の解釈がされがちですが、それだけではなく、製品やサービスの価値とか顧客やサプライヤーとの関係、サプラチェーンといったものを含んだ総合的なモデルとして捉えています。
  

さて、4つの創造のプロセスの最後はプロトタイピングデザインということです。日本語では"反復試作"という言い方をしようと思います。すなわち、試作を繰り返しながら最終成果物に近づけていきます。こうしたプロトタイプ思考は非常に重要なプラクティスになります。

よくプロトタイプは上司やクライアントを説得するためのものだと誤解している人がいますが、全く違って、作ることで考える=build to thinkというアプローチです。考えたらまず作ってみる。作ることで考え、作りながら考えるといことです。ですから、プロトタイプは素早くできないと意味がない。しかも早い段階で生焼けでもいいから作ってしまうことが大事なのです。

ここで大切なことは、既成の技術で作れるからという制約を意識しないことです。つまり、使うべき形、使えるような形をプロトタイプを作ることで思考して、それで作れるように技術を集めていくという順序なのです。そして、技術が追いつたらもっと安くていいものになったということなのです。こういうスタンスは、競争相手に先んじることができるし、ひいてはイノベーションにつながるはずです。

では、初期のプロトタイプで検証すべきことは何でしょうか。次の3点が大事になってきます。
・スケール感     どのくらいの大きさが適しているのか
・インタラクション  どのようなインタラクションがあるのか
・特徴のディテール  その形のアイデンティティ、オリジナリティに当たる部分は何か

有名なダイソンの掃除機や扇風機も何回も何回もプロトタイピングを行っています。その後もだんだん商品に近づけるようにいろいろな工夫をしたプロトタイピング(例えば映像にするとか)を繰り返します。昔は、この商品に近づくほど時間とコストがかかってしまっていましたが、最近では3Dプリンターや光造型機なども登場し、また、コンピューターや電子デバイスも安価に手に入るようになってきました。従って、プロトタイピングがますます重要性を帯びてくるでしょう。

この創造プロセスは、プロダクトやビジネスモデルを創出する場合について述べてきましたが、実はITシステムもプロダクトでもありサービスでもあるので創造プロセスの対象でもあるわけです。つまり、ビジョン→アイデア→コンセプト→プロトタイプという流れはITシステム開発にも適用すべきなのです。このことについてはあとの章で書いていきますので覚えておいてください。
さて、アイデアが集まってきたら、それらを吟味しながらコンセプトを作成することになります。一般的に考えられるのは様々なアイデアを分類して、それらの類似性や従属性といったような関係性をみつめ、組み合わせを考えるといった方法になろうかと思います。点から面、立体に向かって推論しながら発想していくというやり方です。この時大事なのは、既成概念や過去の例に囚われないようにすることです。どうしても、ある枠組みに縛られてしまいそこから抜け出せないということがあります。固定観念は捨ててかかる必要があります。

しかしながら、実際の局面では、論理的な流れですんなりとコンセプトが作られるかというとそんなことはありません。おそらく、逆の流れ、すなわち最初に"ひらめき"があって、それを検証していくというスタイルが多いように思います。セレンディピティと呼ばれるような偶発的な発見に近い話です。

ただ、そうだからといって単に偶然を期待しても何も出てこないでしょう。必要なことは、概念化とか構造化といったスキルを磨くことではないでしょうか。この力がないとアイデアをコンセプトに落とし込むのが難しくなります。ある程度の抽象度で表現しなくては、様々な角度からの要請に応えられるものにはならないからです。

さて、コンセプトはアイデアをいくつか組み合わせて、具体的にどのような技術でそれが可能になるのかを検討したものになります。ビジョンを達成するための具体的な方法とその構造のことなのでです。そして、できあがったモノを前に人が「これは何?」と聞いた時ひと言で答えることができるものになります。たとえば例として、コンビニとiPodを取り上げてみます。

「小規模の他店舗システムを共通に運営する新しい経営にすることで、フランチャイズ制を使う」

「持っている全ての曲を持ち運べるカッコいいポータブル音楽プレイヤー」

また、できあがったコンセプトを評価することも大切です。作りっぱなしではなく、実際に多くの人に使ってもらえるような魅力的なものなのかどうかのチェックです。その評価ガイドラインをあげておきます。

(1) コンセプトの図を描いたときに、そこに人間が含まれているのか
(2) コンセプトをユーザが利用するときのコンテキストがきちんと描かれているのか
(3) 提示されているコンセプトはユーザのコンテキストに置いてみて、今まで存在していなかったものであるかどうか
(4) コンセプトが加わることで、コンテキストが魅力的になったかどうかを確認する
(5) コンテキストを明確にしてコンセプトを描く
   


創造のプロセスでは、ビジョンの描いたあとはアイデアを創出するステップにいきます。アイデアを創出するために必要な主なものは技術の棚卸しとフィールドワークです。わかりやすく言うと、ニーズとシーズの探索といったことになります。

アイデアはこんなことができる、あんなことがしたいというところから湧いてくることがあります。つまり、手持ちの技術やノウハウ、あるいは思いみたいなものも含めて供給サイドからの発想です。一方、現場に出てユーザと接することから思いつくこと、気がつくことがあります。直接これから使おうとしている人たちにインタビューすることもあるでしょうし、まだ曖昧なものならユーザの人たちの振る舞いや行動をつぶさに観察することからも生み出されることもあるでしょう。

どちらでなくてはいけないということはありません。両方とも必要であることは言うまでもありません。勝手な思い込みで、きっと使ってくれるだろうといって世に出しても誰も見向きもしれくれなかったとか、逆に、顧客第一主義と称して、お客さんの言うことを何でも聞いてそのまま作ったはいいが、環境が変わったりとか、要求を出した担当の人が辞めてしまったりするとそこで使われなくなったといったケースはよくあるのではないでしょうか。

ただ、イノベーションという面から考えると、シーズ志向の方に重心があるように思います。 ビジョンのところでも言ったように何々したいという思いが強くなくてはいけないわけで、そうなると創造したもので新たな市場・顧客を作り出すということまでしてしまうということが考えられるからです。おそらく真のイノベーションはこうしたプロダクトと市場・顧客の創出がセットになったものなのでしょう。

アイデアは、たくさん出すことが大事です。アイデアを出すには、ブレーンストーミングとかKJ法など多くの手法があると思いますが、思いついたことをポストイットなりホワイトボードなりに書き出すことがよいでしょう。ここでは、素晴らしいアイデアを出すことより、生半可なものでも単なる思いつきでもいいので数多くのアイデアを手当たり次第に吐き出すことが肝要です。

ここまでの工程でものになるようなアイデアはそうそう生まれてくるわけではありません。後工程でいろいろな議論や検討をしているうちに、ここで拾い上げたアイデアを思い出していけばよいのです。それとアイデアは単発ですごいものになるというよりも、複数のアイデアの組み合わせから新しいプロダクトやモデルが生成されるのが多いものです。