February 2014 Archives

ビジネスモデルの9つの構築ブロックをキャンバスに書き込むことを提案しました。これは、ビジネスモデル・ジェネレーション(BMG)という考え方をベースにして埋め込むものですが、どういうことを書くのかというのを概観してみます。実はこの方法論では、最初にあげた6の"ど"を書くことを推奨していますが、なぜそのまま使わないかという理由を探る意味でもおさらいしておく必要があるので見ていきます。

各ブロックの定義の順番はどこからでも構わないのですが、一応本に書いてある順番にします。最初は顧客セグメントです。顧客ニーズ、行動、態度によって、顧客をグループ化してセグメントに分けることが重要です。どのグループをターゲットにして、逆にどのグループを無視するのかを決めることになります。マーケティングでいうところのSTPのSですね。

この顧客セグメントの例があげられています。「マス市場」「ニッチ市場」「細分化」「多角化」「マルチサイドプラットフォーム」です。この中では最後のマルチサイドプラットフォームというのがわかりずらいかもしれません。複数の独立したセグメンテーションをもつケースになります。例としてはクレジットカードがあります。カード保有者とカード利用可能店という2つの顧客を持っているケースです。こうして、どういう市場・顧客を対象にするかを決めます。

次は価値提案です。価値提案とは、顧客の抱えている問題を解決し、ニーズを満たすもので、顧客がなぜその会社を選ぶかという理由になります。価値を生み出す製品とサービスと記述します。価値にはどんなものがあるのかは次章の「10の提案価値」で後述します。

3番目はチャネルです。顧客セグメントとどうやってコミュニケーションし、価値を届けるのかを書きます。チャネルの機能としては、「企業の製品やサービスの認知度を上げる」「企業の価値を評価してもらう」「製品やサービスを購入できるようにする」「顧客に価値提案を届ける」「購入後のカスタマーサービスを提供する」というのがあります。それぞれはバリュー・チェーンプロセスの各フェーズ、すなわち、認知・評価・購入・提供・アフターサービスに対応しています。

さて4つ目は顧客との関係になります。企業が顧客セグメントとどういう関係を結ぶかです。いわゆる営業プロセスがここに含まれます。顧客獲得・顧客維持・販売拡大というステップを持った関係になります。こうした局面でどういう関係を築けば、スムーズに顧客獲得し、優良顧客化でき、販売が拡大できるかを記述します。

こうした顧客との関係はいくつかのカテゴリーに分けられます。「パーソナルアシスタンス」「専任のパーソナルアシスタンス」「セルフサービス」「自動サービス」「コミュニティ」「共創」などがあります。最初の2つは、顧客担当者のことで通常は営業とか相談員、コールセンターなどで後者はその顧客に専属でついてくれる場合になります。

最近増えているもの「コミュニティ」や「共創」というのがあります。顧客同士のつながりを促進するためにユーザコミュニティを活用するとかが行われています。フェイスブックなどを利用する場合もあります。また、企業が顧客と一緒になって価値を創造しようという動きも出てきています。アイデアを創出する段階やコンテンツを製作する時など様々な場でコラボレーションが進んでいます。
   

6つの"ど"で表されるモデルがビジネスモデルと言われるものですが、最近かなり普及して来たものにビジネスモデルジェネレーションあるいはビジネスモデルキャンバスというものがあります。翔泳社から本が出ていますのでその本に従ってみていきましょう。著者はアレックス・オスターワルダーとイヴ・ピニュールで、45ヶ国470人の事例に基づいて作られたフレームワークが肝になっています。

このフレームワークは9つの構成要素から成り立っていて、それらを描くことでビジネスモデルが構築できるというものです。とてもビジュアルなのでわかりやすいという利点があります。ただ、書くだけと言ってもその内容についてはかなり詳細な分析・検討が必要ですし、簡単ではありません。むしろそれを見ながらみなでディスカッションすることが大事になってきます。

それと重要なこととして、目的によって使い方も変わって来るということです。例えば、全くのゼロから起業する場合のビジネスモデルの検討の仕方と既存ビジネスをベースにしてビジネスモデルを変革してく場合ではアプローチ法とかフォーカスポイントが違ってきます。そのあたりは後々検討していくとしてまずは各要素についてみていきましょう。9つの要素 が配置されたビジネスモデルキャンバスは次の通りになります。


BMC.png
(1) CS (Customer Segments) 顧客セグメント
(2) CP (Value Proposition)  価値提案
(3) CH (Channels)     チャネル 
(4) CR (Customer Relationship)顧客との関係
(5) R$ (Revenue Streams)収益の流れ
(6) KR (Key Resource) リソース
(7) KA (Key Activity)主要活動
(8) KP (Key Partner)パートナー
(9) C$ (Cost Structure) コスト構造

前半の部分は顧客接点のところでいわば需要側の要素になります。後半部分は内部要件で供給側の要素ということが言えます。すなわち、どこのどんな顧客に対してどのような価値をどのようにして提供し収益を得るのかが、一つの図の中に書かれるということに意味があります。視覚的に全体を俯瞰できることは大事ですね。