ビジネスモデルを書いて、お客さんにどんな価値提案をするのか、別な言い方をするとどのように差別化され、競争優位性をもたせた製品やサービスを提供するのかが決まると、それをどう実現していくかに移っていきます。PDCAで言うと、こうしたいというPlanがビジネスモデルとして表現されますが、次のDoをどうするかになります。

ビジネスモデルは静的で構造的な側面をもったものですが、実行ということになると動的で流動的な側面を持ったものになります。すなわち、プロセスへの展開が必要になってきます。往々にしてビジネスの実行はプロセスをオペレーションすることで成果を出すからです。ビジネスモデルで導出された課題であるビジネス要求を受けるものとしてプロセスが存在するわけです。

さて、ビジネスモデルの構成要素は、それぞれで背後にプロセスを持っています。その対応を見ていきましょう。

(1) 商品            ・・・商品企画、商品開発
(2) 市場・顧客         ・・・顧客獲得
(3) 顧客との関係      ・・・商談・見積、アフターサービス
(4) サプライチェーン    ・・・受注、出荷、設計、製造
(5) パートナーとの関係  ・・・調達
(6) コスト構造        ・・・(全体)
(7) 収益モデル        ・・・代金回収・支払
(8) 経営資源         ・・・リソース管理

ということで、ビジネスモデルと関係する12の主要なプロセスが選択されてきました。ビジネスモデルで提供商品としてのコンセプトができたら、それを実際に企画して開発するプロセスへと展開されるわけです。

市場や顧客ではセグメンテーションやターゲッティングにより絞られた顧客に向かってプロモーションをしたりして顧客を獲得します。さらに顧客は潜在顧客から見込み顧客化し、受注をもらう顧客となり、リピートオーダーが来るような優良顧客へと進化させます。また、最近ではただ売ればいいというのではなく、買ってもらったあとのアフターサービスで顧客との結びつきを強くすることも大事になってきています。

次は、供給サイドのビジネスモデル要素として、サプライチェーンやパートナーとの関係がありますが、それらは基本的にはサプライチェーンプロセス、すなわち、受注出荷、調達、設計、製造というプロセスが関連付けられます。パートナーとの関係では主に調達プロセスが関係します。パートナーもひところのような元請け下請けのような垂直関係もありますが、今は分業的な水平関係も増えてきました。また、単に物品の調達にとどまらずに、技術、ノウハウなどのソフト面でのパートナーシップも盛んです。

これ以外のコスト構造、収益モデル、経営資源というのはプロセス的な意味合いが薄いものです。しいてあげれば、お金の流れのところになりますが、日常のオペレーションも少なく、最初にどういうフォーメーションにするかが重要になります。また、経営資源については、個別リソース管理の仕組みが必要になります。要するにマスタ管理です。ですから、プロセス管理というよりもデータ管理の色彩が強くなります。
  
これで、第1章の「ビジネスモデルからプロセスへ」を終わります。次回からは第2章の「プロセス設計からシステム構築へ」に入っていきます。ビジネスモデルを記述し、そこにあるビジネス要求をどのプロセスへ展開していくのかまでを議論してきましたが、次はそのビジネス要求をプロセスがどのように受けて実際に動かせるものを作っていくかになります。
  


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