さて、今回からは第2章の「プロセス設計からシステム構築へ」に入っていきます。最初のテーマは3つのパラダイム変化ということになります。コンピュータが登場して、それらが業務システムに使われて長い時間が経過してきましたが、それほど大きな変化はなかったように思います。

しかしながらビジネス環境もさることながら、インターネットの出現が非常に大きなインパクトを与えています。そうした中で、ITシステムを取り巻くパラダイムも変化せざるを得なくなってきています。技術の進化がシステムの構造あるいは作り方、使い方を変えていくのです。それらは次のような3つのパラダイム変化ではないでしょうか。

(1) データ・機能中心からプロセス中心へ
(2) 作って終わりから動かしてナンボへ
(3) 個人作業からチームワークへ

最初のプロセス中心への転換ですが、元来ITは情報処理と言われるようにインプットされたデータを計算処理してアウトプットとして結果を出し、それをストアするというものでした。従って、データを中心として考えられ、その入力画面の機能をどうするのか、どんなレイアウトの帳票を出力するのかといった観点でシステムが作られていました。

ところが、現実のビジネスの世界ではそれだけで成り立っているわけではけっしてなく、むしろデータの処理以外のところのほうが時間をとっているし、重要なことが多いはずです。その世界はどちらかと言うと属人的でインフォーマルな領域になっていたわけです。タバコ部屋で大事なことが決まっていると揶揄されたものです。

いまや隠すことは許されないことも多くなりオープン性へのシフトが進んでいます。つまり、情報共有とかコミュニケーション、あるいはWebで言われるような集合知といった考えが広く取り入れられるようにもなってきました。タバコ部屋で行われていた意思決定が表に引きずり出されてきたのです。

そうした動きに不可欠なものがプロセスになります。ビジネス上で発生する様々な事案はほとんどの場合プロセスを経て処理されて行きます。従って、システム作りも従来のようなデータ・機能中心からプロセスへ中心へと変えて行く必要があります。

ただ、こういうとデータやUIはどうでもいいのかとか思われがちですがけっしてそういうことではありません。どれもが重要なのですが、軸足をずらすというか、何を先行して考えるかでプロセスを中心に、あるいはプロセスを先行して考えていくというアプローチを推奨しています。
  

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