5つの誤解の2つ目は「IT化、自動化を目指す」です。プロセス設計からシステム構築へ向かうときに、何がなんでもITを使ってシステムを作るということは少ないかもしれませんが、大方の人はプロセス設計の段階においてもIT化してそれを自動的に動かすということを頭に浮かべているのではないでしょうか。

それはそうかもしれませんね。ITシステム構築プロジェクトだからどうしてもそういう態度になってしまいます。しかし、一旦そうした頭を空にしてみたらいかがでしょうか。つまり、プロセスを描くときに自分たちの業務の流れをITを使っていようがいまいが関係なしに書いてみることです。

実はこのことはプロセスの本質的な意味合いを理解する上で大事なことだと思います。よく現状の業務フローを書いてくださいというと端末画面が出てきてそれを使ってフローが進む図を書きます。画面の遷移で業務を進めているフローになっています。こうした書き方をやめたらどうかと言っているわけです。あるいは申請・承認フローを描くことも多いでしょう。

ただ、前回に議論したようにバックヤードシステムではこうした業務フローになっています。プロセス的な要素が少ない領域ではあり得ることです。しかしながら、そうではない顧客接点プロセスといった領域では、端末の画面が出てくるようなフローを書くのは避けたいものです。

それと、次回にも議論になるかと思いますが、どこの会社でも必ず業務プロセスはあるわけです。IT化されてないものはプロセスではないと誤解している人が、「IT化、自動化を目指す」間違いを犯すのではないでしょうか。コンピュータがない時代でもビジネスをやっていたし、業務プロセスはあったのです。いまでも、ITをそろばんとして使っている会社がいっぱいあります。人手で業務を回していてもそこにはプロセスがあるのです。

ですから、プロセス設計はITとは無関係に設計すべきなのです。つまり、どういう意思決定をして、どういう判断をして依頼者に応答していくか、そのために必要な作業はどんなことでどういう手順でやっていくのかを定義してくわけですが、それはITとかは関係ないのです。そうして設計されたプロセスをオペレーションしていくにはITを使ったほうが良いのかを吟味すればいいのです。

もしITが使えないようなところ、あるいはわざわざITを使う必要がなければ人間がやればいいのです。また、自動化も無理してやることもないわけで、自動化というのは一見良さそうだが、自動化のロジックを一生懸命考える割にはそれだけの効果がない場合もありますし、例外が起きた時の影響などを考えると慎重にやるべきだと思うのです。「IT化、自動化を目指す」のもいいけれど適材適所でやるべきなのです。
  

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