(2) 戦略課題の具体化と解決
リーマンショックのような経済全体が減速してしまうような場合、売上の落ち込みが激しいのは標準在庫品です。何がなんでも必要というわけではなくユーザにも在庫もあるでしょうから買い控えもできるからです。つまり標準在庫品の販売は景気の変動に弱いという性格をもっています。景気が安定して経済成長も右肩上がりの時は問題なかったのですが、経済成長は停滞しているがビジネス環境のへ変化が激しい時代ではそうした時代にマッチしたビジネスモデルに変える必要がでてきました。

ビジネスモデルを変えるには戦略が必要です。そこでよくとられるものが顧客・市場戦略です。事例では、標準在庫品では景気に左右されるというのなら特注品にシフトしたらどうかというのが新たな戦略として出てきました。こうした戦略立案には理論あるいは技法のようなものがあるのかというとありません。おそらく経営者のひらめきがいちばんではないでしょうか。

しかし、単なる思いつきというわけではありません。大事なのは経営者の頭のなかにこうした会社にしたいという経営理念、こんな事業をやりたいというビジョンがしっかりともっていなくてはいけないということです。そしていったんやると決めたら従業員に対して明確に考えを伝え、思いを共有することが重要です。

ところが、その掛け声だけでは新しい戦略の実行はできません。必ず、何か新しいことをやろうとするとそれを阻害するものが現れます。一番大きな阻害要因はいったい何でしょうか。これもよく言われるかと思いますが、従業員の意識の問題です。大部分の人は基本保守的ですから、今やっていることを変えたくないという意識が働きます。

ここでもまた、「意識を変えろ」とか叫ぶだけでは変わりません。従業員は変化の結果として自分の仕事がどう変わり、負荷がどうなるのか、責任が重くなるのかといったことが気になります。それがわからないうちは不安のほうが先にあって、そのためにどうしても保守的にならざるを得ないわけです。

また、会社として収益がどうなるのか、売上が増えてくれるのかといったことを示してくれたら、儲かりそうだからがんばってもいいかなと思うのです。つまり、会社として、事業としての変化の仕方とその結果についても、そして個人としてのタスクがどうなるかを見える化することが大変重要なのです。

それと、現実的な阻害要因の洗い出しも必要になっていきます。リソースの問題として不足はないのか、業務管理として不備はないのか、いまの組織や責任の所在で対処できるのかといって検討である。事例では、特注品へシフトするわけですから、顧客要求をきちんと聞き取らなくてはいけませんし、また設計者の負担も増え、ちゃんと見積もりをしないと赤字なのに受注してしまうといったことが浮かび上がってきます。そこから課題を抽出していくわけです。事例では下記のような課題が出てきました。

・ベテランの営業に依存しない要求確認
・収益性を確保した見積
・役割分担の確化

BPMアプローチでは、プロセスを記述することで会社全体、事業全体といったマクロな視点での見える化ができ、また詳細化したプロセスでは、課題を解決するために必要な機能がはっきりしてきますので、新しい戦略を実現するオペレーションのイメージが出来るのです。

【成功のポイント】
トップマネジメントが経営理念に基づいて明確なメッセージを発信し、強いリーダーシップを発揮すること
  


No TrackBacks

TrackBack URL: http://blog.wadit.jp/mt/mt-tb.cgi/141

Leave a comment