誤解の4つ目は「データや機能は重要ではない」ということで、ITでよく出てくる3文字熟語とかキャッチフレーズは、ぱっと注目されて流行りだすと、あたかもそれ一辺倒になることがしばしば起こります。昔のことでいうとクライアント・サーバーが言われた時は、メインフレームは全部駆逐されるのではないかくらいの勢いだったし、ERPの登場は猫も杓子もERPだと叫んでいた。だからBPMというと(まだは流行っていませんが)プロセスだけだと誤解するかもしれません。

システムだからどれか一つだけということはありえないわけで、さまざまな要素が複合して構成されているから、どこを重要視するのか、どこから始めるのかとかいった軸の置き方が違って来るだけなのです。筆者はITシステムは大きくプロセス、データ、機能(UI)から構成されているという捉え方をしている。フローとストックとインターフェースということです。

このシリーズで強調しているのはITシステム構築はプロセス中心、プロセス先行で行こうよねということです。そうなると、データとかUIはどうなるのかということなります。もちろん両方とも絶対に必要です。ただ、イノベーションを支援するという目的を考えると、データをマネジすること、UIを充実させることがそれにあてはまるかというとこうではないように思います。

画期的な商品の開発とか、圧倒的な市場占有率の獲得とか、卓越した商品提供力といったことはプロセスを重視したアプローチが有効であると言えそうです。では、データとかUIの出番はどこなのだろうか。まず、データですが、以前DOAというのが注目されました。データ中心アプローチでシステム開発をするというもので、せっせとER図を書いたものです。
  
しかしながら、それはあくまでITシステム、もっと正確に言うとデータベースシステムを作るためのものであったと言わざるを得ないと感じています。つまり、データの登録・更新、検索、帳票出力の仕組みをDOAで作ったわけです。DOAにおけるデータの捕捉を画面と帳票から行うということはそれを意味しています。ですから、プロセス表現が難しいしわかりにくいのです。

では、データ中心は必要ないのかというとそうではありません。データには大きくリソース系のものとイベント系のものがありますが、リソース系すなわちマスタデータはデータ中心で捉えるべきなのです。ビジネスを行うためのリソースを整理しておかなくてはビジネスモデルを変えるにしても、プロセスを改革するにしてもできないわけで、先行してデータベースを設計しておかなくてはいけません。

一方、UIは最近ではスマホに代表されるデバイスの多様化、進化があります。これは、顧客やサプライヤーといった外部接点にしても、あるいは内部の従業員にとっても使い勝手のよい、効率的な機能を要求していけるようになったわけです。ですから、プロセスサイドからの要求としての機能は当然ありますが、マンマシンインターフェースはプロセスとは必ずしも関連しないでも設計していくことになります。繰り返しますが、プロセス、データ、UIは重要となるエリアが違うのでそれ相応のアプローチが必要であるということです。
  

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