さて、最後の誤解は「ワークフローのことである」です。これはよくある誤解ですね。ただ、プロセスとワークフローの違いについて明確に規定したものはないでしょう。ということは定義の仕方でプロセスにもなるしワークフローにもなると言えます。ですから、ここは筆者の定義をベースに明らかにワークフローなのに業務プロセスと名乗っていることの間違いを指摘したいと思います。

また、ワークフローとBPMの違いをいう人がいますが、これは土俵が違うので比較することに意味がありませんので注意してください。業務とか仕事の流れをどう呼ぶかという観点になります。両者とも言い方としては、インプットがあってそれに対して何らかの処理を経てアウトプットを出すということでは一緒です。従って、どんな構造をもっているのか、どんなことをするのか、どういう使われ方をするのか、そして何のためにあるのか、という切り口でみていくことにします。構造、機能、使い手、目的の違いを検討するということななります。

まずは構造という問題です。先ほど言ったように両者ともインプットとその中間の過程とアウトプットから成っているといいましたが、ワークフローの場合は、そのフローが基本的には一層になっています。つまり、中間の過程がアクションとか単位作業になっていてそれは分解できない構造になっていることです。それに対してプロセスは、しばしば階層構造をとることになります。

プロセスでは中間過程は複数のアクティビティから構成されますが、その個別アクティビティにサブプロセスを持つことがあります。そして、そのサブプロセスがワークフローであることもあるわけです。中間過程の粒度が違うのです。つまり、プロセスはワークフローも内包したような大きな包括的な構造をもったものなのです。

次にどんなことをしたいのか、どのような機能をもたせているのかというところです。モニタリング機能が大きいように思います。そこから、パフォーマンス管理やプロセスコントロールといったところへ持っていくことがプロセスの重要な機能です。

使い手の問題が一番わかりやすいかもしれません。ワークフローは基本的には個人が使うものです。典型的なワークフローに申請承認ワークフローというのがありますが、これは個人が願い出てそれを承認してもらうという流れですから割と単純なフローで個人用になります。プロセスは組織としてチームとして業務処理を行うためのものです。要するに個人競技と団体競技の違いです。

最後の目的という側面では、ビジネスとの結びつきの程度が問題になります。ビジネス上の要求に応えられるかどうかです。戦略とか事業方針、あるいは改革課題といったところから絶えずビジネス要求が出てきますが、その受け皿にワークフローはなれるでしょうか。個人の仕事の流れであるところでは無理です。すなわち、重要な差異はビジネス要求を実行する仕組みとしてプロセスがあり、個人レベルのタスクを処理する仕組みとしてワークフローがあるということではないでしょうか。
  



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